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執筆者の写真litruslaw

不倫(不貞)・浮気相手への慰謝料請求に必要な証拠収集の際の注意点

配偶者(夫・妻)の浮気(不貞)が発覚した…

パートナーが浮気しているかもしれない…


このような場合、あなたは大変なショックを受け、配偶者や不貞相手を問い詰めて真実を知りたいと考えたり、謝罪をさせようと考えるかもしれません。


しかし、確たる証拠もなく、そのような行為をしてしまうと、後ほど不貞慰謝料請求のための証拠を得られず、泣き寝入り…ということもあり得ます。


今回は、不貞慰謝料の証拠集めに関して、注意すべき点を弁護士が解説します。

(どのような証拠が不貞慰謝料の証拠となるかについては、「不貞慰謝料請求での証拠とは?」という記事をご覧ください。)


1 合法的に取得すること

証拠が不法な手段(例:盗撮、ハッキングなど) )で得られた場合、裁判で認められないことがあります。

例えば、とある裁判例では、「その証拠が著しく反社会的な手段を用いて人の人格権侵害と伴う方法によって収集されたものであるとき」は証拠として認めないとしたものがあります(東京高判昭和52年7月15日参照)。

どのような場合が、上記に当たるかが分かりにくいですが、基本的には、犯罪行為によって得られた証拠はダメと考えていただければ間違いはないと思われます。


〈やってしまいがちだが、犯罪行為となるもの〉

これは、⑴ストーカー規制法違反、⑵不正アクセス禁止法違反、⑶脅迫・恐喝行為等があります。


  ⑴ ストーカー規制法違反


実は、令和3年8月26日からストーカー規制法が改正され、GPSを用いた位置情報の無断取得は、配偶者との間であっても違反とされました。


① 相手方の承諾を得ないで、GPS機器等により位置情報を取得すること

〈例〉相手方のスマートフォンに無断でインストールした位置情報アプリを使ってそのスマートフォンの位置情報を取得するなど。

② 相手方の承諾を得ないで、相手方の所持する物にGPS機器等を取り付ける等

(例〉相手方が所持する車両にGPS機器を無断で取り付ける。

   GPS機器をひそかに取り付けた物を相手方に渡す。


  ⑵ 不正アクセス禁止法違反

配偶者のスマートフォンなどから、証拠を集める際にも場合によっては不正アクセス禁止法違反となり犯罪になることがあります。


① 違反になる場合

・ID・パスワードを入力してアプリやWEBサイト等を開いた場合

他人のID・パスワードを入力して、スマホ内にインストールされているアプリやWEBサイト(ショッピングサイト等)を開く行為は、不正アクセス行為にあたります

② 違反にならない場合

・自動ログインされるLINE・メール・SNS・WEBサイト等を開く行為は?

あらかじめID・パスワードの入力が不要な自動ログインされるLINE・メール・SNS等のアプリやWEBサイトを開く行為は、不正アクセス行為にはあたらないと考えられます

・スマホのロック画面を解除する行為は?

スマホのロックを解除する行為は、不正アクセス行為にはあたらないと考えられます

※犯罪行為にならないとしても別途民事上の損害賠償責任を負う可能性があります。しかし、金額は数万円から10万円程度になることが多いと考えられます。



⑶ 脅迫・恐喝行為等

不貞発覚後に、ショックや怒りに任せて、配偶者や不貞相手を問い詰め、不貞を認めさせる発言を録音したり、その旨の書面等を作成したりすると、程度によっては脅迫・恐喝行為にあたり、犯罪行為になりかねないため注意が必要です。

例えば、暴力をふるって認めさせたり、多数人で囲んで長時間その場から移動できないような状態にしたうえ、「認めるまでは帰さない」などと申し向けた結果、相手方が書面にサインした場合などです。


2 冷静に対応すること

不貞発覚後は、とてもショックを受け取り乱してしまうかと思います。しかし、後で後悔しないためにも、冷静な対応が必要です。特に下記の点に注意が必要です。


⑴ 確たる証拠もなく、いきなり配偶者を問い詰めてしまうこと

これを行ってしまうと、不貞相手の情報や証拠を隠滅されてしまう可能性が高まり、請求が困難になってしまいます。

また、仮に認めたとしても、前記のとおり、脅迫等の犯罪行為になりかねない場合もあります。


⑵ 取得した証拠は、改ざんや紛失を防ぐため、しっかり保管すること

せっかく集めた証拠が失われてしまっては意味がありません。また、配偶者に処分されてしまうなどの可能性もあります。

デジタルデータの場合はバックアップが有効です。


⑶ 探偵に依頼する場合は注意が必要であること

確実な証拠を収集するそのために、探偵事務所に依頼することもできます。 ただし、費用がかかりますので、事前に見積りや調査内容を確認しましょう。

また、探偵費用をかけすぎてしまうと、慰謝料金額よりも探偵費用が上回ってしまって、赤字になる可能性があります。そのため、探偵に依頼するかも含めて、弁護士に相談することをお勧めします。


〈まとめ〉

上記のように、不貞の証拠収集の際にも注意すべき点が多くあります。

そこで、お勧めなのは、不貞を疑ったタイミングや不貞が発覚したタイミングで一度弁護士にご相談いただくことです。

リトラス法律事務所には、男女トラブル対応部が設置されており、男女問題解決の経験が豊富な弁護士が多数在籍しています。

初回相談は1時間まで無料(ご相談内容によっては一部有料)となっておりますので、不倫(不貞)・浮気相手に対する慰謝料請求などでお困りの際にはお気軽にご相談ください。

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