良性石綿胸水とは、アスベストを吸入したことが原因で肺を包む胸膜に炎症が起こり、胸水がたまる病気です。良性石綿胸水は自然に胸水が消えて治る場合が多いため、石綿救済給付の対象外の疾病です。
良性石綿胸水は自然に治癒するケースが多いですが、何度も胸水が繰り返し発生する場合もあります。また、良性石綿胸水が生じた後に、びまん性胸膜肥厚を発症することもあります。
胸水がたまる原因はアスベストだけではないため、良性石綿胸水の診断基準は以下の4項目が重要になります。
石綿ばく露歴がある
胸水が存在する
悪性腫瘍や結核など他に胸水の原因となる疾患がない
胸水発生後3年間悪性腫瘍が発生しない
良性石綿胸水の多くは症状が現れませんが、中には症状が現れるケースもあります。たとえば、胸水がたまりすぎてしまうと肺が圧迫され、呼吸が苦しくなります。また、胸膜の炎症が起こると、呼吸したときに胸の痛みが現れることがあります。
胸水が確認され、症状が現れていない場合も定期的な受診による経過観察が大切であるといわれています。
治療としては、胸水がたまったままの状態の場合に胸水を抜く治療があります。また、ステロイドの投与で治療する場合もあります。
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